ミュトス(神話)の時代-ホメロス、ヘシオドス
紀元前8世紀ごろのギリシャでは、世界の様々な出来事がミュトス(神話)のなかで描かれました。
世界はどのようにできたのか。人間はどこから生まれ、死んだらどこに行くのか。
そのような人知を超えた現象を、当時の人々は神の力によるものだとして理解しようとしたのです。
なかでも代表的な神話は、ホメロスの『イリアス』『オデュッセイア』、ヘシオドスの『神統記』『仕事と日々』です。

ロゴス(理性)の時代-アルケー
紀元前6世紀ごろになると奴隷制が発展し、身の回りのことは奴隷がやってくれるようになりました。
そうするとギリシャの人々は暇(スコレー)になります。
そこで彼らは理性(ロゴス)を用いることで万物の根源(アルケー)、つまり「この世界を成り立たせているものは何か」を考えるようになりました。
自然哲学者
万物の根源(アルケー)を考える人たち(自然哲学者)を紹介していきます。
ターレス
ターレスはアルケーについて考えた最初の人とされているので、哲学の祖と呼ばれています。
彼はアルケーを水と考え、「自然は常に変化して流動する」と説きました。
アナクシマンドロス
アナクシマンドロスはアルケーを「無限なるもの」としました。
万物は「無限なるもの」から生まれ、そこへと消滅していく無限の循環を繰り返すと説きました。
アナクシメネス
アナクシメネスはアルケーを空気とし、息(空気)によって生き物が活動するように、空気によって万物は成り立っていると考えました。
※ターレス、アナクシマンドロス、アナクシメネスの3人は、当時交易が盛んにおこなわれていた都市ミレトスにいたことから、「ミレトス学派」と呼ばれています。
ピタゴラス
ピタゴラスはアルケーを数とし、万物には数的な関係に基づいた調和が実現されていると説きました。
ピタゴラスの定理でお馴染みですね。
ヘラクレイトス
ヘラクレイトスはアルケーを火と考えました。
「万物は流転する」という名言を残しています。
これは「すべてのものは常に変化する」という意味で、「同じ河に二度入ることはできない」とも言ったそうです。
パルメニデス
パルメニデスは「あるものはあり、あらぬものはあらぬ」と言い、「あるもの」は常にあるし、「ないもの」は常にないという存在一元論を説きました。
エンペドクレス
エンペドクレスはアルケーとして火、空気、水、土の四元素をあげ、それらは愛によって結合し憎しみによって分離・消滅すると考えました。
デモクリトス
デモクリトスは、現在に繋がる原子論を生み出した哲学者です。
彼はアルケーを「それ以上分割できないもの」という意味で原子(アトム)と呼び、自然はアトムが動き回ることで構成されていると考えました。