はじめに
どうもこんにちは、ここみらいチャンネルのシュンスケです。
今回は倫理の勉強で最も重要な参考書を紹介します。
圧倒的に便利なのに、なんか軽視されがちな存在。
それは、山川出版社の「倫理用語集」です。

なぜ用語集が重要なのか、そこら辺を詳しく紹介していきます。
そもそも用語集とは?
用語集とは、その科目に登場する単語の説明を細かく載せているものです。
amazonの商品説明ページには
2018年度から使用されている『倫理』の教科書全7冊の用語を分析し、学習に必要な用語を収載。わかりやすい解説と頻度数を付し、重要人物はコラムで詳しく解説。用語数約3,000。
と書いてあります。

こんな感じのノリです。
なぜ重要なのか?
倫理は一問一答的に単語を覚えてもそこそこの点は取れたりするのですが、高得点を取ろうとするとどこかで壁にぶち当たります。
「きちんと思想を理解する」
というのができていないと解けない問題が出てくるのです。
まあ本当は「きちんと理解」なんて一生できないのですが…
単語暗記のもう一歩奥に進むという感じです。
細かい説明が載っている用語集は、その勉強に最適です。
また、用語ごとに⑦みたいな感じで数字が書いてあって、それが倫理の全7冊の教科書中、何冊にその用語が載っているかを表しています。
このように用語の重要度も客観的にわかるようになっているので、覚えるべき単語を迷わずに済みます。これもでかい。
実際に使ってみよう
例えば
「荻生徂徠といえば『古文辞学』『先王の道』『経世済民』『安天下の道』だよな」
みたいな単語暗記ではこんな問題は解けません。

これは平成31年度センター試験、倫理の追試験に出てくる問題です。
単語暗記だけでは、もう全部正解に見えてしまいます。
「えーと…ワードっぽいのは…安天下だけだな…
でも安天下のところの文章、全部一緒じゃねーか。
どうやったら安天下になるかなんて覚えてないな…てかそんなこと授業でやったか?
道ってあの老子とかの時出てきたやつのことか?
あ、『先王の道』の道か?だからなんだ?
全く違う概念なのか関連性があるのかもよく分からないな。
関係あるような気もするけど…うーん…
まあ、当てずっぽうでいいか!多分①だろ!!」
みたいな感じになります。
ちなみにこいつ、正解しやがりました。運がいいですね。
まあ、こんな風に
「そういやこの人、どんな思想なんだ?」
「このワード、どういう意味なんだ?」
となった時こそ、用語集の出番です。
早速『先王の道』『経世済民』を調べてみましょう。
こんな風に書いてあります。
先王(せんのう)の道⑥
荻生徂徠によれば、道は朱子学が説くような天地自然に備わっているものではなく、堯(ぎょう)・舜(しゅん)などの中国古代の聖人(先王)が天下を安んじるために人為的に制作した安天下の道⑦であると説いた。具体的には礼学刑政⑦(儀礼・音楽・刑罰・政治)などの制度や習俗をさす。徂徠の説によれば、先王は道を制作することによって、人々がそれぞれ持つ素質をはっきし、社会全体が調和的に発展することを可能にしたとする。
経世済民⑦
世を治め民を救うこと。政治・経済を広く含んでいう。もともと儒教がその目的とするものであるが、徂徠はこれをとくに強調し、個人の修養を重んじるあまりに安民を忘れ、社会の諸制度を究明しなかった従来の儒教を批判した。そして、自らのとらえる道を「安天下の道」と称して、政治の具体策を論じた。
…これを読んだら、もう答えすぐわかるじゃないですか!
まず、徂徠によれば道は天地自然に備わるものではなく、中国古代の聖人が人為的に作ったものだと書いてあるので、③④はナシ。
この説明から、徂徠は一人一人に道の改善を求めたのではなく、人々がそれぞれの資質を発揮し社会全体が調和するための政治の具体策を論じていたこともわかります。
つまり②もナシ。
よって答えは①ですね。
こんな風になんとなく曖昧になっている知識って、誰しもあるはずです。
教科書は必要最小限の文章しか載せられないので詳しいことは分かりませんしそもそも説明されていないこともよくあります。資料集も、案外知りたいことは調べられません。
しかし用語集には大抵のことは載っているため調べたいものが見つかりやすいし、深めようと思ったら割と深められます。
他にもいろんな参考書がありますが、用語集より網羅性と信頼性の高いものはありません。
何より、説明が分かりやすいです。用語集ってカタいイメージがあるかもしれませんが、当然ですが高校生向けに書かれているので、意外と普通に読めます。
自分でガチの哲学資料を調べるよりも圧倒的にハードルが低いです。
ぜひ用語集を活用して、ちゃんと思想を理解しちゃってください!
意外とそれが最短ルートです!!
まとめ
用語集は、そのポテンシャルの割にあまり人気のない参考書です。
でもその効果は絶大。
問題演習の時になんだかよく分からないことがあったら、コイツでほぼほぼ解決します。
そういうのの積み重ねが、本番での差になるんですね。
積極的に活用することで周りと差をつけましょう!
勉強がんばってくださいね!!