ユダヤ教の成立
はるか昔、今のイスラエルやシリアがある中東と呼ばれる地域にイスラエル人(またはヘブライ人)と呼ばれる民族が暮らしていました。
(ユダヤ教が成立した後は、イスラエル人は「ユダヤ人」とも呼ばれます)
しかし彼らが暮らしていた地域はエジプトなどの強大国で囲まれていたので、イスラエル人の中には奴隷となってる者もいました。
そんな中、イスラエル人のモーセという人物が立ち上がりました。
彼はイスラエル人を率いてエジプトを脱出します。(出エジプト)
そしてパレスチナと呼ばれる地域に移り住み、イスラエル人の共同体を作ったのです。
↓出エジプトで敵から追い詰められたとき、モーセは海を割ることで敵から逃れました。

ユダヤ教の特徴
- 唯一絶対神
ユダヤ教はキリスト教やイスラム教よりも前に成立しており、各宗教の先行宗教であるとされています。
そんなユダヤ教ではヤハウェという神が信仰されています。
ヤハウェは「唯一絶対の神」とされ、その名前を口に出すのも畏れ多いとされています。
- 旧約聖書
また、ユダヤ教の聖典は旧約聖書です。
これは、ユダヤ教のあとにキリスト教が新しく聖書を作ったため、区別がつくように「旧約」と施されています。
旧約聖書には「アダムとイヴ」や「ノアの箱舟」などの有名な逸話が残されています。
- 選民思想・終末思想・救世主(メシア)思想
次に、ユダヤ教には特徴的な3つの思想があります。
まず一つ目は選民思想です。
これは、「ユダヤ人は神に選ばれた民族だから最後に救われるのは私たちだ!!」という思想です。
ユダヤ人は他国で奴隷として扱われ、かなり苦労していましたよね。
それでモーセのもとでエジプトを逃れます。
その最中には海が割れるなど奇跡的な出来事が起こり、無事パレスチナに帰着することができました。
そのため、ユダヤ人だけが神によって救われるという思想が根付いたのです。
二つ目は、終末思想です。
ユダヤ教では、いつか世界が終わるとされています。
そして世界の終わりには「最後の審判」がなされるとされています。
最後の審判は、人々を天国と地獄に分けるってやつです。
ここで選民思想と繋がるのですが、ユダヤ教徒は天国、それ以外は地獄に振り分けられるらしいです…

三つ目は、救世主思想です。
ユダヤ人は奴隷にされたり迫害されたりと、たくさん辛い思いをしてきました。
しかしそれでも頑張れるのは、世界が終わるときに救世主(メシア)が自分たちを救ってくれるからです。
これは選民思想や終末思想と繋がっていますね。
- 律法主義・十戒
さらに、ユダヤ教は律法主義をとっています。
ユダヤ教には、ユダヤ人がヤハウェ神と契約した、十戒と呼ばれる十個のルールがあります。
ユダヤ教では以下の十戒を守るよう徹底されています。
<十戒>
第1戒 あなたはわたし以外に、ほかの神があってはならない。(出エジプト記20:3)
第2戒 あなたは自分のために、偶像を造ってはならない。(出エジプト記20:4)
第3戒 あなたは、あなたの神、主の名を、みだりに口にしてはならない。(出エジプト記20:7)
第4戒 安息日を覚えて、これを聖なるものとせよ。(出エジプト記20:8)
第5戒 あなたの父と母を敬え。(出エジプト記20:12)
第6戒 殺してはならない。(出エジプト記20:13)
第7戒 姦淫してはならない。(出エジプト記20:14)
第8戒 盗んではならない。(出エジプト記20:15)
第9戒 あなたの隣人について、偽りの証言をしてはならない。(出エジプト記20:16)
第10戒 あなたの隣人の家を欲してはならない。
(引用:聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会)
※共通テストはそこまで深く出ないので暗記しなくても大丈夫です!
今回はユダヤ教について解説しました。
次はユダヤ教の後にできた、世界三大宗教のひとつ、キリスト教について解説します!